上村松園 生誕150年記念(後期展示)
- 2025年5月28日
- 読了時間: 4分
本日は、前回も記事を書いた上村松園展の後期展示です。平日5/28の15時ごろに行ったにもかかわらずたくさんの人がいました。さすがの人気展覧会です。
2025/6/1まで開催しています。
前回の前期展示の記事はこちらです。
前期展示で、中之島美術館や上村松園さんについては、解説していますので、ご一読くださいませ。
本日は、後期展示の見どころを解説していきます。
後期展示では、重要文化財に指定されている《母子》や《序の舞》だけでなく、《花がたみ》などの有名作品が観覧できます。
ただ今回もお写真の撮影は、OKのものとそうでないものがあるので、、、母子、花がたみについては、お写真が撮れずです。。。
そのため、展覧会図録から拝借してまいりました。
まずは、お写真OKだった序の舞からです。

こちらは、二つ目の展示室に入ったら目の前にドーンと佇んでいました。
とても存在感のある絵ですね。
東京藝術大学美術館に所蔵されていて、重要文化財にも指定されているこちらの絵。
《序の舞》は、能の仕舞「序の舞」を現代の良家の令嬢が舞う姿を描いたものです。モデルは松園の息子・松篁の妻で、京都一の結髪師が結った文金高島田、婚礼の大振袖をまとい、格式高い装いで立つ姿が描かれています。
松園さんが61歳の時に描かれた絵で、「何ものにも犯されない、女性のうちにひそむ強い意志を、この絵に表現したかった」と言います。
《序の舞》は、舞台に立つ女性の一瞬の緊張感と気高さを捉え、外面的な美しさだけでなく、内面の精神性や凛とした品格を鮮やかに表現していますね。余計な装飾を排した洗練された画面構成と、清澄な色彩、流麗な線描が、女性像の内面の強さや静けさを際立たせているのではないでしょうか。
そして今回、写真撮影ができなかった《母子》についてです。
入ってすぐの場所に飾られておりました。

《母子》は、明治期京都の町家の婦人をモデルに、幼児を優しく抱き上げ慈しむ母親の姿を、ほぼ等身大で描いた絹本著色の作品です。2011年に重要文化財にも指定されています。
母親はお歯黒と青く剃り上げた眉で、既婚の子を持つ女性であることが示され、モデルは松園の息子・上村松篁の妻、そして赤ん坊はその子・上村敦とされています。
しかし、暁は思うわけですよ。この絵は、ちょうど上村松園さんの母が亡くなった年に描かれているんですね。
この母子には、上村松園さんの母と上村松園さん、上村松園さんとその息子・松篁、そして松篁の妻とその子の3世代に渡っての母子を表現しているんではないかと。
上村松園さんの父が、生誕2ヶ月前に亡くなり、母子家庭で育った松園さん。
また、自分も父不在の未婚の母であることから、母と子という2人の関係性にとても慣れ親しみ、思い入れのある松園さんだからこそ、描けた作品ではないでしょうか。
着物の縞模様や簾(すだれ)の細密な描写など、松園の高度な技量が随所に見られますね。
また、全体に明るくやわらかな賦彩(ふさい)が施され、母子の温かな情感や安心感を画面全体に漂わせています。柔らかな色調の中に、髪や帯に配された黒色が明暗の対照を生み、画面に引き締まった品格と奥行きを与えています。
そして、次に《花がたみ》についてです。
一つ目の展示室の終わりがけに飾られてあります。

この花がたみ。図録の写真では色彩の綺麗さなどわかりませんが、現物の絵はとても妖艶でなんとも言えない凄みを感じる絵でした。
この作品は、世阿弥作とされる謡曲「花筐(はながたみ)」を題材にしています。物語のヒロイン・照日前(てるひのまえ)が、愛する人を追い求めて狂気に陥る姿を描いています。
そうなんですね、女性の狂気を描いているからこその怖さを感じる絵ではありました。
縦2メートルを超える大作で、絹本に描かれています。
音もなく散る紅葉の中、花かごを手にたたずむ照日前の姿は、装いの乱れやうつろな眼差し、あてどのない仕草など、どこか尋常ならざる雰囲気をたたえていました。
表情づくりには能面「十寸髪(ますがみ)」を参考にし、現実の舞妓をモデルにして舞を舞わせるなど、徹底した観察と写生を重ねて制作されたことが知られています。
こちらは本当に現物を見ていただきたい絵ではあります。
今回の記事では、有名な3作品を紹介しました。
この他にも後期展示では、さらに新たな作品がたくさん見れます。
ぜひ残り数日、展示会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
展覧会名:上村松園 生誕150周年記念
会期:2025/3/29(土)-2025/6/1(日) 10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
場所:大阪中之島美術館

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