モネ 睡蓮のとき
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- 4月6日
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今回ご紹介するのは、京都市京セラ美術館で開催中の「モネ 睡蓮のとき」です。
2025/6/8まで開催中です。
京都市京セラ美術館といえば、とても歴史の深い美術館で2020年にリニューアルしたところですね。過去にアンディ・ウォーホル展や蜷川実花展など有名アーティストの展覧会もしていて、多様なジャンルを楽しむことができる美術館です。
今回紹介する「モネ 睡蓮のとき」について。
チケットを購入し、エントランスからモネの展覧会の入り口を抜けると、モネの看板が見えます。

素敵な睡蓮の絵ですね。
今回の展覧会は写真撮影が基本的に禁止で、Room no 3のみ写真撮影OKでした。
ところで皆さんは、モネについてどれくらい知っていますか?
わたしの知人では、「モネって女性だと思っていた。」「日の出の人だっけ?」と言っている人もいて、モネって有名な割には、あまり知られてないことも多いのかという印象です。
でも皆さん、クロード・モネといえば、印象派画家、睡蓮、日の出と聞いたことありますよね。
私も恥ずかしながら、モネの展覧会には行くものの、そんなに詳しく調べていなくて。。
今回モネの作品に触れる前に、モネという人物について、どういう人生だったのか、どんな人物だったのか、そんなところを解説していきたいと思います。
モネは、1840年、パリで次男として生まれます。5歳の頃に、ル・アーヴルに転居。
モネは11歳の頃にはすでにデッサンを学んでいて、カリカチュア(※風刺、寓意、ユーモアを内容とする絵)で高く評価されていました。
すでに絵の才能があったということなのでそこまで驚くべきことではないのですが、これまた画家あるあると言いますか、モネは父からの仕送りがなくなり、貧しい生活が続くのですね。そして、26歳の時にカミーユと出会い、27歳で長男が生まれました。父が反対していたこともあるのか、結婚はせず、後に30歳でカミーユと正式に結婚します。
モネには、生涯で実は妻は2人います。もう一人が、モネのパトロンだったオシュデの妻、アリスです。もうこれだけで現代から考えると驚きなのですが、この元パトロンのオシュデ氏が破産したあとモネが38歳の時にオシュデ夫妻とその子供6人と暮らすのですよ。
その1年後には妻のカミーユが亡くなってしまい。。。かなり波瀾万丈な人生ですね。
以後モネとアリス、子供達との生活が続き、晩年オシュデ氏の死後、アリスとモネは再婚します。モネは責任感が強いのかもしれませんが、調べた限りとてもロックな生き方のカリスマだなあと思っています。これが才能か、、と。モネはお金がなくなる度に、友人や画商に手紙を書いてお金の支援をお願いするのですが、それもまたロックな生き方だなあと。とまあ、大袈裟に書きましたが、起業家が事業計画書書いて、資金調達するのと同じですよね。
あと特筆すべき点は、モネの成功の鍵を握る人の中には、ポール・デュラン=リュエルというフランスで大成功を収めた、有名な画商がいます。また、そのライバル画商、ジョルジュ・プティも繋がりがあって、その辺りの人間関係も好きです。画家についての情報はたくさん出てきますが、画商って出てこないですよね。当たり前ですが、そういう謎に包まれたところも魅力的です。
デュラン=リュエル繋がりでもう一つ。私が今回一番気になっている絵は、お題にある睡蓮や印象派作品ではなく、「黄色いアイリス」というモネが1924-1925(晩年)に描いた絵です。
この絵は、国立西洋美術館に所蔵されていて、デュラン=リュエル経由で流通した可能性が高いと言われています。
なぜこの絵が気になるのか?
黄色いアイリスの絵は、水の庭の池の周囲の花々を個別に取り上げたもので、アイリス以外にもキスゲやアガパンサスなどの絵もあります。
公式の解説は以上となっているのですが、何が気になるのか?
皆さん花言葉は好きですか?私は花を選ぶ時や花を描く時は、その都度花言葉を調べています。私のこの春のネイルデザインは、ミモザです。「感謝」や「思いやり」という花言葉があって素敵な花ですね。
花言葉って19世紀の西欧社会で盛んで、1819年頃に最初の花言葉辞典が登場したんですね。この絵が描かれた頃には、すでに花言葉という概念があったのです。
黄色いアイリスの花言葉はご存知ですか?
黄色いアイリスの花言葉には「復讐」という怖い意味があって、贈り物とかには選ばない方がいい花なんですよ。
ちなみに、キスゲが「日々新たに」、アガパンサスは「恋の訪れ」という意味があり、結婚記念日にぴったりの花みたいです。
なぜ、黄色いアイリスの絵を描いたのか?
モネが晩年にアイリスを繰り返し描いた背景には、’’「自然との対話」と「自らの芸術的進化」’’という二つの核心的な動機が存在するとの見方もありますが、私としては、もしかすると復讐という意味もあったのかなと。何への復讐かと問われるとはっきりとは答えられませんが、不思議な偶然だなあと思いまして。この時代にその花言葉があったのか、そもそもネット検索などはできない時代なので、モネが知らなくても不思議ではないですが、晩年に復讐なんて見方によってはピッタリな意味だなあと思って。
実は展覧会名にもなっている、睡蓮の花。
花言葉は「信頼」。けどもう一つ怖い花言葉の意味があって、「滅亡」なんです。
「滅亡」は、睡蓮を太陽のシンボルとして古代エジプト文明が最終的に滅んでしまうことが由来しています。
ただ、私が思うに、モネはどちらかと言えば、ポジティブな人だと思うので、そんな暗い花言葉は似合わないですね。
そんな睡蓮で私がお気に入りの作品、Room no 3で写真撮影した中から選定した2作品がこちらです。

展覧会カバー絵にもなっている睡蓮の絵ですね。
やはり光りますね。
もう一点がこちらの睡蓮。

《睡蓮》連作の本質は「自然との共生」から「内面風景の投射」への転換にあります。
第一次世界大戦下で描かれた作品群(1914-18年)は、戦禍という現実から逃避する「芸術的ユートピア」の創造と言えるのではないでしょうか。水面に映る空と水底の睡蓮が織りなす二重世界は、20世紀美術が直面する「抽象と具象の弁証法」を先取りしていますね。
私としましては、双方の色使い、ブルーの色味が素敵だなあと。様々な青の深みが感じられます。
滅亡の睡蓮に、復讐の黄色いアイリス。。。
モネの真相はいかに、、ですね。(かなり独自の解説です。)
また、本展覧会では、モネの庭を再現した体験エリアがあって、写真ではちょっとわかりにくいですが、こちらです。

正直なところ、ちょっと微妙でしたが、エンターテイメントの一つとして捉えていただければ良いのかなと。
あと、今回取り上げていませんが、本展は、1910年代以降の晩年作品に焦点を当て、「白内障の視界」が生んだ抽象性を主軸に構成されています。マルモッタン・モネ美術館所蔵品と国内コレクションの対話が、画家の内面変容を浮き彫りにしています。
モネが視力を失いながら追求した「光の物質化」の軌跡というものが垣間みれるのではないでしょうか。
モネは本当に魅力的な画家だなあと、しみじみ🤔
モネ展また、来年東京で開催されるみたいです。
東京、、!ちょっと遠いですが、行きたいなあ。

アーティゾン美術館での開催です。
面白そうですね。
今年で、第一回印象派展から150年を迎えますが、モネの人気は衰えることを知りません。
ぜひ皆様この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
展覧会名:モネ 睡蓮のとき
開催期間:2025/3/7-2025/6/8
開催場所:京都市京セラ美術館
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